iPhoneの機種変更時に行いたい設定の一つがメールの引き継ぎ。今回は仕事やプライベートの大切なメールをしっかりと引き継ぐための方法をご紹介します。ドコモ、au、ソフトバンクの各キャリアメールと、Gmail、iCloudメールのそれぞれの引き継ぎ方法をご紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

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iPhoneの機種変更・乗り換え時に引き継ぎすべきメールの種類とは？

	機種変更のみ	乗り換えのみ	機種変更 ＋ 乗り換え
キャリアメール	引き継ぎが必要(※)	引き継ぎor初期設定が必要	引き継ぎor初期設定が必要
フリーメール	設定が必要(※)	不要	設定が必要(※)

※原則、クイックスタートのみで対応可能

iPhoneの機種変更や乗り換え時のメールの引き継ぎでは、使用しているメールの種類や携帯電話会社によって異なる手順が発生します。

機種変更の場合、キャリアメールは引き継ぎが、フリーメールは再ログインなどの設定が必要です。基本的にはクイックスタートで自動的に引き継ぎや設定は完了しますが、万が一漏れていた場合は自身で対応しましょう。

一方、乗り換えのみの場合、キャリアメールは、乗り換え先の携帯電話会社がメール持ち運びサービスに対応していれば、以前のアドレスを引き続き利用することができます。手続きでは携帯電話会社にかかわらず、Safariから構成プロファイルをインストールすることが必要です。メール持ち運びサービスに対応していない場合は引き継ぎができないので、新しくその携帯電話会社のメールアドレスを作成する必要があります。
フリーメールは携帯電話会社が変わっても特に変化はないので、乗り換え後も引き継ぎなしでそのまま利用可能です。

構成プロファイルとは？

構成プロファイルとは、iPhoneやiPadなどのデバイスで、さまざまな設定を一度に行うことができる特別なファイルのことです。構成プロファイルを使うと、一つひとつの設定を手作業で行う手間が省け、簡単に多くの設定をデバイスに適用できます。

メールの引き継ぎでは、各携帯電話会社の構成プロファイルをインストールすることで、設定を簡易化することができます。

iPhoneのメール設定を引き継ぐ際の前準備

iPhoneのメール設定を引き継ぐには、いくつかの事前準備が必要です。3つのポイントで解説していきます。

各キャリアメールやフリーメールのログインID・パスワードを記録しておく

iPhoneのメール設定を新しいデバイスに引き継ぐ際には、現在使用している各キャリアメールやフリーメールのログインIDとパスワードが必ず求められます。引き継ぎを行う前に必ずログイン情報は控えておきましょう。

このとき、ログイン情報は他人に簡単に見られないよう安全に管理することが大切です。例えば、日記帳など持ち歩いて落とす心配のない紙に書き記しておく、セキュリティ面で安心できるパスワード管理アプリを使うなどの方法がおすすめです。

Wi-Fiはオフにしてモバイルデータ通信を利用する

キャリアメールの引き継ぎで必要な構成プロファイルのダウンロードは、モバイルデータ通信下で行う必要があります。モバイルデータ通信を利用することで、スマホが携帯電話会社のネットワークに直接接続されることになるため、必要なファイルのダウンロードがスムーズに行われるのです。

機種変更の場合は、回線切り替えを行い、新しいスマホでモバイルデータ通信を利用できることを確認したうえで、メールの引き継ぎに進みましょう。

乗り換える場合は必要なら「メール持ち運びサービス」を契約する

携帯電話会社を乗り換えた後も、元の携帯電話会社のメールアドレスを引き続き使用したい場合は、「メール持ち運びサービス」の利用を検討しましょう。「メール持ち運びサービス」とは、キャリアメール(例：ドコモであれば「@docomo.ne.jp」)のアドレスを、異なるキャリアに移行した後も継続して使用するためのサービスです。

契約のタイミングは携帯電話会社ごとに多少異なり、それぞれの条件は以下の通りです。

ドコモ	解約後31日以内 ※ahamoへのプラン変更の場合は、プラン変更と同時の申し込みが必要
au	解約後31日以内
ソフトバンク	解約後31日以内

「メール持ち運びサービス」が利用できない場合は、基本的にキャリアメールのデータやアドレスを引き継ぐことはできません。

もし残しておきたいメールがある場合は、スクリーンショットなどの形で保存しておきましょう。もしくはパソコン上でキャリアメールを受け取れるようサーバーの設定を行えば、受信したメールをローカル保存することもできます。ただし、この場合も乗り換え後はサーバーを介してのメール受信はできなくなるので、乗り換え前に保存作業を行う必要があります。

【ドコモ】キャリアメールの設定を引き継ぐ手順

機種変更を行い、引き続きドコモと契約している場合のメールの引き継ぎ手順を4つのステップでご紹介します。

1. 「My docomo」にアクセスする

まずは、ドコモのキャリアメールを引き続き利用したい端末で「My docomo」にアクセスします。この時、Wi-Fiはオフにし、モバイルデータ通信を利用しましょう。

My docomo(外部リンク)にログインする

2. 「ドコモメール利用設定サイト」にログインする

My docomo内、「設定」から「iPhoneドコモメール利用設定」をクリックすると、「ドコモメール利用設定サイト」へのリンクが表示されます。クリックすると、契約時に設定したネットワーク暗唱番号の入力画面、もしくはdアカウントのログイン画面が表示されるので、画面の指示に従って入力しログインしましょう。

3. 構成プロファイルのダウンロードを「許可」する

画面の指示に従って構成プロファイルのダウンロードを行います。ダウンロードの許可を求める画面が表示されたら「許可」をタップしましょう。
ダウンロードが完了するまではブラウザを開いたままにし、「プロファイルがダウンロード済み」と表示されたら「閉じる」をタップします。

4. iPhoneの設定アプリへ移動し、「プロファイルがダウンロード済み」をタップする

ダウンロードの完了後にiPhoneの「設定」アプリを開くと、「プロファイルがダウンロード済み」という項目が表示されるのでタップし、インストールを選択します。

画面の指示に沿って選択していくとインストールが開始されるので、完了までしばらく待機しましょう。プロファイルのインストール完了画面が表示されたら、右上の「完了」をタップして引き継ぎ完了です。

【au】キャリアメールの設定を引き継ぐ手順

機種変更を行い、引き続きauと契約している場合のメールの引き継ぎ手順を5つのステップでご紹介します。

1. 「auサポート」にアクセスする

auのキャリアメールを引き続き利用したい端末で「auサポート」にアクセスしましょう。この時、Wi-Fiはオフにしておき、モバイルデータ通信を利用します。

au サポート(外部リンク)にログインする

2. 「メールの初期設定」をタップする

auサポート内、「iPhone設定ガイド」から「STEP1 メール初期設定」のページへ遷移します。「メール初期設定へ」と書かれたオレンジ色のボタンがあるので、タップしましょう。

3. 電話番号を入力し、「次へ」をタップする

「ご契約の電話番号を入力してください。」という表示とともに、入力窓が表れるので、使用中の電話番号を入力し、「次へ」をクリックしましょう。

4. プロファイルインストールの「許可」をタップする

画面の指示に従ってクリックしていくと、プロファイルのインストール画面が表示されます。ダウンロードの許可を求める画面が表示されたら「許可」をタップしましょう。
ダウンロードが完了するまではブラウザを開いたままにし、「プロファイルがダウンロード済み」と表示されたら「閉じる」をタップします。

5. iPhoneの設定アプリへ移動し、「プロファイルがダウンロード済み」をタップする

ダウンロードの完了後にiPhoneの「設定」アプリを開くと、「プロファイルがダウンロード済み」という項目が表示されるのでタップし、インストールを選択します。

画面の指示に沿って選択していくとインストールが開始されるので、完了までしばらく待機しましょう。プロファイルのインストール完了画面が表示されたら、右上の「完了」をタップして引き継ぎ完了です。

【ソフトバンク】キャリアメールの設定を引き継ぐ手順

機種変更を行い、引き続きソフトバンクと契約している場合のメールの引き継ぎ手順を5つのステップでご紹介します。

1. 「Safari」アプリで「sbwifi.jp」と入力して検索する

ソフトバンクのキャリアメールを引き続き利用したい端末で「Safari」を開き、検索窓に「sbwifi.jp」と入力しましょう。この時、Wi-Fiはオフにしておき、モバイルデータ通信を利用します。

2. 利用規約を確認し、「同意して設定開始」をタップする

「一括設定とWi-Fiアプリ設定」と書かれた画面が表示されるので、利用規約を確認のうえ「同意して設定開始」というボタンをタップします。

3. 認証用SMSが届くので、「同意して設定」のURLをタップする

メッセージアプリに認証用のSMSが届くので確認しましょう。再度、利用規約を確認したら、「同意して設定」の下に記載されているURLをクリックします。

4. 構成プロファイルのダウンロードを「許可」する

構成プロファイルのダウンロードの許可を求める画面が表示されるので、「許可」をタップしましょう。
ダウンロードが完了するまではブラウザを開いたままにし、「プロファイルがダウンロード済み」と表示されたら「閉じる」をタップします。

5. iPhoneの設定アプリへ移動し、「プロファイルがダウンロード済み」をタップする

ダウンロードの完了後にiPhoneの「設定」アプリを開くと、「プロファイルがダウンロード済み」という項目が表示されるのでタップし、インストールを選択します。

画面の指示に沿って選択していくとインストールが開始されるので、完了までしばらく待機しましょう。プロファイルのインストール完了画面が表示されたら、右上の「完了」をタップして引き継ぎ完了です。

【Gmail】フリーメールの設定手順

機種変更後の端末で引き続きGmailを使用するための設定手順を5つのステップでご紹介します。キャリアメールとは異なり、構成プロファイルのインストールが必要ないので、スムーズに進められるでしょう。

1. 設定アプリから「メール」を開く

iPhoneの「設定」アプリ内をスクロールし、「メール」をタップします。

2. 「アカウント」をタップ

ページ中盤に「アカウント」という項目があるので、こちらをタップします。右側の数字はログインしているアカウント数を示しています。機種変更後、まだどのアカウントでもログインしていなければ「0」と表示されているはずです。

3. 「アカウントを追加」をタップ

「アカウントを追加」をタップしましょう。「アカウントを追加」の上の各項目はその端末でログイン中のアカウントを示しているので、機種変更したばかりでどのアカウントでもログインしていない状況であれば何も表示されないはずです。

4. 「Google」をタップ

ログインするサービスの選択肢が複数表示されます。今回はGmailにログインしたいので、「Google」を選択しましょう。

5. Googleのメールアドレスとパスワードを入力してログイン

ログイン画面が表示されるので、メールアドレス(もしくは電話番号)とパスワードを入力してログインすれば完了です。デフォルトの「メール」アプリ内で、ログインしたGoogleアカウントのGmailを開けるようになります。

【iCloudメール】フリーメールの設定手順

iCloudメールはAppleIDに紐づいているので、古いiPhoneでバックアップしたデータを新しいiPhoneに復元すれば、通常は自動で引き継がれます。ただし、バックアップの復元をしたにもかかわらず「このiCloudアカウントはすでにiPhoneに追加されています」などのポップアップが表示された場合は以下の手順で対処しましょう。

1. 設定アプリから「メール」を開く

Gmailの設定時と同様iPhoneの「設定」アプリ内をスクロールし、「メール」をタップします。

2. 「アカウント」をタップ

ページ中盤の「アカウント」という項目をタップします。

3. 「アカウントを追加」をタップ

「アカウントを追加」をタップするところまではGmailの設定の手順と同じです。

4. 「iCloud」をタップ

一番上の「iCloud」をタップします。

5. Apple IDのメールアドレスとパスワードを入力してログイン

ログイン画面が表示されるので、メールアドレスとパスワードを入力してログインすれば完了です。デフォルトの「メール」アプリ内で、ログインしたiCloudメールを開けるようになります。

iPhoneのメール設定を引き継げないときの対処法

ご紹介した方法でメール設定を引き継げなかった場合の対処法を、ケース別にご紹介します。どういった理由でメール設定を引き継げなかったと感じているのか自分に当てはまる項目を確認してみましょう。

ログインIDとパスワードを忘れてしまった場合

iPhoneのメール設定を引き継ぐタイミングで、ログインIDやパスワードを控えていなかった、忘れてしまったという場合は、ログイン情報の再発行・再設定で対処しましょう。

このとき、再発行のためのメールにアクセスできるよう、必ず元のスマホもしくはパソコンなどでメールアカウントにログインしたままの状態でいましょう。

ログインIDやパスワードがわかれば、メールの設定を新しいiPhoneに引き継ぐことができるはずです。また、再設定したIDやパスワードは、今後は忘れないよう紙やアプリなどに記録しておくことをおすすめします。

構成プロファイルの配布サイトにアクセスできない場合

各携帯電話会社の構成プロファイルの配布サイトにアクセスできない場合、まずはWi-Fiがオフになっているか、モバイルデータ通信を利用できているかを確認しましょう。構成プロファイルのダウンロードにはモバイルデータ通信の使用が必要です。以下の手順でWi-Fiをオフにし、モバイルデータ通信が利用できているか確認しましょう。

構成プロファイルのインストールでエラーが発生する場合

構成プロファイルの配布サイトにはアクセスできたものの、インストールの段階でエラーが発生してしまう場合は、前の機種からプロファイルが引き継がれている可能性が考えられます。以下のいずれかの方法で一度プロファイルをリセットしましょう。

ただし、前の機種を初期化すると、デバイスに保存されているすべてのデータが消えてしまうため、事前に必ずバックアップを取っておきましょう。

設定完了後に新しい端末にメールが届かない場合

メールの引き継ぎ設定を行ったにもかかわらず、新しいiPhoneにメールが届かない場合は、ネットワーク接続がうまくできていない、もしくはメールアプリ・端末で何らかの不具合が発生している可能性があります。以下の方法を試してみましょう。

まずは、端末が機内モードになっていないか確認しましょう。機内モードがオンになっていると、ネットワーク接続が遮断されてしまうので、メールも受信できません。

ネットワークに接続されているのにメールを受信できない場合は、一時的な不具合の可能性が高いので、メールアプリ、端末をそれぞれ再起動して様子を見ましょう。

過去のメールが新しい端末に反映されない場合

第一に、携帯電話会社を乗り換えた場合、旧端末でバックアップを取っていなければ、過去のキャリアメールを新しい端末に引き継ぐことはできません。iCloudやiTunesを利用してバックアップを取ることで、メールデータも含めた情報を新しい端末に移行できます。

GmailやiCloudメールなどのフリーメールの場合は、メールサーバーから削除していない限り、新しい端末からも過去のメールへのアクセスが可能です。メールアプリやブラウザを通じて、フリーメールのアカウントにログインすれば、メールを確認できます。

バックアップの引き継ぎや新しい端末でのログインを行ったにもかかわらず、過去のメールが表示されない場合は、表示期間が絞り込まれている可能性があります。以下の方法で確認してみましょう。

iPhoneの引き継ぎに関するよくある質問

iPhoneの引き継ぎに関するよくある質問をまとめました。ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にご覧ください。

Q. クイックスタートでメール設定は引き継げる？

クイックスタートは、古いiPhoneから新しいiPhoneへ無線でデータを転送する機能です。クイックスタートを利用すれば、メールアカウントの設定やメールデータも含め、ほとんどの情報が新しいデバイスに自動で移行されます。

Q. メールデータを新しい端末に引き継いだら元データはどうなる？

メールデータを新しい端末に移行したとしても、特定の設定をしない限り、元の端末のデータは削除されません。データ転送はコピーを取る形で行われるので、古いデバイスにも引き続き同じメールデータが保存されます。

Q. メッセージアプリは引き継ぎできる？

iPhoneのメッセージアプリを通して行われるSMSやiMessageのデータは、iCloudへのバックアップまたはiTunesへのバックアップを通して新しいデバイスへ移行することができます。

Q. LINEアプリはどうやって引き継ぐ？

LINEの引き継ぎには、機種変更前に古い端末を使ってデータのバックアップを取っておく必要があります。またこのときLINEアカウントのメールアドレスやパスワードを確認しておきましょう。新しい端末でログインする際に必要です。
その後、新しい端末でLINEアプリをインストールし、既存のアカウント情報を入力してログインします。バックアップからトーク履歴を復元すれば完了です。詳しい方法は以下記事をご覧ください。

格安スマホへ乗り換え時に失敗しないLINE(ライン)引き継ぎ方法

iPhoneのメールの引き継ぎには種類ごとの適切な対応が必要

iPhoneの機種変更時にはキャリアメールとフリーメールの両方の、携帯電話会社の乗り換え時にはキャリアメールのみの引き継ぎ設定が必要です。それぞれ手順はそれほど難しくありませんが、特にキャリアメールの場合はバックアップを取る順番を誤ると、データが消えてしまう恐れがあるので、注意しましょう。

また、指定された手順通りに設定を進めたにもかかわらず、メールが利用できない場合は、何らかの不備やエラーが発生している可能性があります。ご紹介した方法をもとに、一つひとつ不備やエラーの可能性を潰していきましょう。

2024年3月5日 2024年3月5日