5Gと4Gの違いをわかりやすく解説!何が可能になる?
最近よく聞く5G。ただ、5Gと聞いても実際どんなことができるようになるのか、4Gとどう違うのか、分からない人も多いでしょう。そこで今回は、5Gと4Gの違いや、5Gによって可能になること、5G実現が生活に与える影響、5Gへの完全移行する時期、5Gを利用するための方法などについて解説します。
目次
5Gとは?-4Gとの違いは?
5Gや4Gの「G」とは「Generation(世代)」の略で、5G・4Gなどとして使われるときには「通信システムの世代」を指しています。5Gとはそもそも何なのか、また、4Gとの違いについてご紹介します。
5Gとは
5Gは、簡単に言うと超高速の通信技術のことです。現在、多くの地域で使用されている4Gのさらに先を行く、次世代の通信規格「第5世代移動通信システム」を指します。
サービス開始は2020年3月。都市部を中心に提供が開始されています。4Gに比べ、速度、容量、汎用性が大幅に向上し、遅延も軽減されているのがポイント。今後進められていくIoT時代の基盤として、幅広く活用されることが期待されています。
4Gとは
4Gは、現在の一般的な通信規格「第4世代移動通信システム」のことです。2015年から登場しました。移動通信システムは第1世代、第2世代と、世代が進むごとに通信速度も速くなり、第4世代は110Mbps〜約1Gbpsの通信速度になりました。ネットワーク速度が向上したことで、ゲームやビデオ会議など、高速通信が必要なサービスも発展しました。
5Gになって可能になったこと
5Gになると、上記のようなことが可能になります。それぞれについて詳しく解説します。
高速・大容量な通信ができるように
5Gは4Gに比べ、通信速度が高速になりました。理論上は約100倍以上の速度での通信が可能と期待されています。
例えば、2時間の映画のダウンロードも、LTEでは5分かかっていたものが、5Gでは3秒で可能に※。このように大容量のデータも高速で送受信できるため、5Gの普及で私たちの生活はさらに便利になるといえるでしょう。
複数デバイスの同時接続ができるように
5Gは4Gに比べ、ネットワーク接続を同時にできる数が飛躍的に増えます。多数の同時接続が可能になることで、身の回りのさまざまな物をインターネットに接続する「IoT技術」にも大きく貢献。スマホやパソコンだけでなく、複数のIoT家電をネットワーク接続して、より便利な生活を送ることが可能となるでしょう。
よりタイムリーな情報伝達ができるように
5Gでは4Gに比べ通信の遅延が大幅に減り、約1ミリ秒程度(4Gの10分の1程度)に短縮されました。これにより遠隔操作の分野の発展が進み、医療や物流などあらゆる分野で活かされることが期待されています。
また、それだけではなく、リアルタイム通信でのラグが減ることで、オンラインゲームやインターネット配信など、より通信速度が重視されるコンテンツの質も向上するでしょう。
4Gから5Gに完全移行するのはいつ?
5G通信の提供は2020年3月から一部地域で既に始まっていますが、現在4Gのサービス終了の予定はなく、当面は4G通信も継続されると考えられます。5G対応エリアは都市部から徐々に地方へと範囲を広げていますが、ほとんどの地域の人が5G通信を使えるようになるまでの間は少なくとも4Gと5Gが併用されると考えてよいでしょう。
2022年3月末の全国の5G人口カバー率は93.2%。国は目標として、5G人口カバー率※を2025年度末に97%、2030年度末には99%にすると掲げています。
※5G人口カバー率…全国を約500m四方で区切り、5G通信が可能なエリアの人口を総人口で割ったもの
参考:総務省「5Gの整備状況(令和3年度末(2021年度末))」
5Gの普及が社会をこう変える
【5Gの普及が社会に与える影響として期待されているもの一覧】
5Gが普及することで、上記のような影響が予想されています。詳しく解説します。
4K、8K映像が普及する
4Kや8Kなどの超高画質の映像を送受信するには、大容量を通信できる環境が必要です。
5Gが普及することによって、このような超高画質映像を家庭でも楽しめるようになるでしょう。スポーツのパブリックビューイングでも、VRや大画面スクリーンなど、現在よりも質が高く迫力ある映像が生中継で楽しめるようになると期待されています。
VR、AR、MR技術が広く使われるようになる
5Gの普及によって、VR(仮想現実)の技術がさらに広く使われるようになると考えられています。VRとは、ゴーグルを装着することでバーチャル世界に没入した体験ができる技術のことです。
また、スマホの画面やARグラス越しに見ることにより、現実世界に別の情報を加えた体験ができるAR(拡張現実)や、ARがさらに発展したMR(複合現実)の普及も期待されています。
とくにMRでは、MRデバイス越しに見ることで、ユーザーの動きに合わせて必要な情報が表示され、その情報をユーザーが操作することもできます。
5Gの高速・大容量通信と遅延の少なさにより、これらの技術がさらに普及することが予想されています。
スマートオフィスが普及する
5Gの普及により、Web会議システムの発展が進み、自宅などのオフィス以外の場所でも、快適な会議が可能になります。コロナ禍によってリモートワークが一般化してきましたが、5Gの普及がさらにその流れを後押し。働く環境の改善や、時短勤務など働き方改革も進められていくでしょう。
自動運転技術が進化、広く使われるようになる
近年、注目を集める自動運転も5G無しには語れません。自動運転の安全技術には、リアルタイムでのデータ処理が必要不可欠です。一瞬の操作のずれが大事故につながる恐れもあるため、遅延が発生しない5Gのネットワークは自動運転の実用化には絶対条件とも言えます。
5Gの普及により自動運転技術の安全性が向上し、実用化に近づくと期待されています。
遠隔医療が推進される
5Gの技術によって、都心部と地方の医療格差を埋められる可能性もあります。
例えば過疎地域では、医師不足で十分な治療が受けられない、名医がいると知っていても遠方のため通院できないなど、さまざまなケースがあるでしょう。しかし、5Gのネットワークによって、遠い場所にいる患者の診療データを医師が確認しながら、リアルタイムで診察することが可能になります。さらに技術が向上すれば、日本を超えて海外の有名医師の診断、さらには遠隔での手術ができることも期待されています。
スマートホームが普及する
インターネットと接続することで、より便利に使える機能をもつ家電をIoT家電といいます。近年、CMなどでも見ることが増えてきているでしょう。
5Gでは、多数同時接続が可能なため、家庭にあるエアコン、照明、洗濯機など多くの家電をスマホなどから遠隔で操作することができます。Wi-Fi回線においてもネットワーク接続をすることは可能でしたが、通信速度が遅く、十分な能力を引き出せていませんでした。今後は、5GによりIoT家電の活用が進むことで、生活の利便性も高まると考えられています。
5Gを利用するにあたっての注意点
5Gを利用する際に、知っておきたい3つの注意点についてご紹介します。
セキュリティ上のリスクが高まる
5Gはメリットがたくさんありますが、そのメリットと表裏一体のリスクもあります。
例えば、5Gでは一定時間内に伝達されるデータ量が増えますが、つまりそれは情報漏洩をしてしまうと、その情報も大量になるということです。そのため、情報漏洩をしないよう、細心の注意が必要となるでしょう。さらに同時接続数が増え、より多くの機器と繋がることから、サイバー攻撃のリスクも上がる可能性があります。
5Gはまだ新しい通信規格です。今後、5Gに合ったセキュリティシステムや法整備が徐々に整備されていくと考えられます。
通信には5G対応の端末が必要になる
5Gに非対応の端末では、5Gの通信が利用できません。古いスマホを使っている人が5Gを使いたい場合は、端末の買い替えが必要になります。また、端末が対応しているか確認するだけでなく、5G通信が可能なエリアであるかどうかも確認しましょう。エリアは拡大されつつありますが、住んでいる地域が対象とは限りません。
5GでWi-Fiを使用する場合も、5G対応のモバイルルーターやホームルーターを使用する必要があります。これまで使用してきたスマホ、機器、家電が5Gに対応していない場合には、買い替えをしないと利用できません。
また、家電などIoTを利用して生活を便利にしたいと考える場合も同様に、IoT家電に買い替える必要も。買い替えが難しい場合は、「スマートプラグ」の利用で、今ある家電をIoT化することも可能です。コンセントに挿し、家電を接続するだけでスマホなどから操作可能になるスマートプラグですが、対応できない家電もあるため、事前に確認しておきましょう。
このように、エリアや端末など、5Gが利用できる環境を整える必要があります。
通信料金が高くなる場合がある
5Gは4Gよりもやや通信料金が高い傾向にあります。5Gが全国に普及するまでは、割高な通信料金であることが予想されるでしょう。
ちなみに、NUROモバイルでは対応エリア・対応端末であれば5G利用料は無料です。
5Gを利用する方法
まず、5Gを利用するには、5G対応エリア内で5G対応端末を利用する必要があります。また、5Gに対応したプランへの加入も必要です。
その上で、各スマホで下記のように5G回線を選択すると、5Gが使えるようになります。
iPhoneで5Gを利用する方法
- 設定を開く
- モバイル通信を押す
- 通信のオプションをタップする
- 「5Gオート」または「5Gオン」をタップする
5Gオートは、5GとLTEでもさほど変わらない場合、LTEに自動的に切り替わるモードです。5Gエリア内にいる場合常に5Gを使う5Gオンよりもバッテリーの節約になります。
Androidスマホで5Gを利用する方法
- 設定を開く
- ネットワークとインターネットを開く
- 優先ネットワークの種類を開く
- 5Gをタップする
5Gのエリア内でも、場合によっては5G接続になりにくい場合もあります。
5Gと4Gの違いについてよくある質問
5G、4Gの違いについて、よくある質問について分かりやすくお答えします。
Q.5Gは日本でいつから始まった?
A.大手携帯電話会社で2020年3月より一部地域でサービスが開始されました。
5Gは2020年の3月に一部地域でサービス開始された、比較的最近の技術です。最終的に全国で使用できるようエリアが拡大されています。
Q.4Gや3Gは使えなくなるの?
A.3Gは徐々に終了しています。4Gは当面の間使用できると想定されます。
5Gの利用エリアを広げるためには、まだ時間がかかります。そのため、多くの人が利用している4Gは当面の間使用できると予想されます。ちなみに、2001年にスタートした3Gはそれぞれ大手携帯電話会社にもよりますが、最大で2026年の3月まで利用できます。
Q.「〇G」ってどのように変わってきたの?
A.1979年代の第1世代のサービス開始からおおよそ10年ごとで世代交代しています。
1979年に車内で電話ができるサービスが開始されたことが1Gの始まりです。次第にショルダーホンや携帯電話サービスへと発展していきましたが、主に音声通話にサービスが限定されていました。
2Gでは、通信品質の向上に加え、携帯電話でもウェブブラウザを経由したインターネット閲覧や電子メールの利用が可能になりました。
Q.3Gと4Gと5G、LTEの違いは?
A.3G(→LTE)→4G→5Gの順に、インターネットの高速化・大容量化が進んでいます。
3Gは2001年にサービスが開始されました。2Gまでは国や地域ごとに異なるシステムを導入していたため、全世界で同じ端末を使えることを目標に進められていたものでした。3Gの登場に前後して携帯電話の多機能化が進み、3G時代の2007年にAppleがiPhoneを発表しました。そのように、携帯電話からスマホへと革新的な進化を遂げる中、2010年にサービス開始されたのがLTEです。LTEでは、3Gよりも大幅に広帯域化を実現し、さらなる高速化も叶えました。
また、LTEを更に高速化させたのがLTE-Advanced(4G)。通信速度がメガレベルからギガレベルへと進化し、大容量の動画コンテンツもストレスなく視聴できるようになりました。
4Gからさらに進化した5Gでは、より高速かつ大容量な通信や、多数同時接続、低遅延が実現されました。5G程のレベルの通信技術があれば、生活に必要な身の回りのあらゆる物をネットワークにつなげることができ、より便利な社会が実現できると期待されています。
5Gの普及によって、生活が大きく変わることが予想されています
5Gの本格的な拡大は、さまざまな分野の発展に大きく貢献していくでしょう。大容量化や多数同時接続が可能となる5Gでは、長時間の映画も一瞬でダウンロードできたり、多くのIoT家電をスムーズに活用できたりするなど、さらに生活が便利になると予想されています。
また、4Gまでになかった低遅延も見逃せないポイントです。遅延が非常に小さいということは、自動運転のブレーキシステムなど、安全技術においても非常に重要な要素と言えます。5Gの低遅延により、これまで以上に新たな分野で技術が発展・実用化されることが考えられるでしょう。
便利な5Gですが、利用するためには、対応している機器への買い替え、対応エリアの確認に加え、5Gの契約も必要となります。普及するまで4Gよりも高い料金設定がされていることも多いでしょう。
しかし、NUROモバイルでは、原則エリアと端末が5Gに対応していれば、無料で5Gオプションが利用できます。おトクに5Gを利用したい方は、ぜひNUROモバイルの5Gオプションをご確認ください。
※記事上に掲載しているサービス名、製品名などは一般に各社の商標または登録商標です。説明の便宜のためにその商品名、団体名などを記載する場合がありますが、それらの商標権の侵害を行う意志、目的はありません。
2023年6月28日 2023年6月28日
人気の記事
-
2023.10.20
-
2024.6.4
-
2024.3.5