海外旅行をする前には、パスポートの期限確認、ビザの申請、通貨の両替、万が一のための保険……と定番の準備が付きものですが、現在は「インターネット回線の確保」も大切な準備の一つに挙げられるでしょう。

地図やスポットの検索、食べ物の情報など、旅先で知りたいことはさまざま。

フリーWi-Fiが用意された場所も多いですが、できれば日本にいるときと同じように、スマートフォンが使えたら便利です。

そこで今回は「格安SIMは海外旅行でも使えるの？」をテーマに、お役立ちトピック制作班の一員が、実際にフランス・パリを旅行した際に実験してきました！

フランスで、日本の格安SIMは動くのか!?

有名なセーヌ川をながめて「フランスに来た……！」と感慨にふけるのもほどほどに。

早速、日本から持ち込んだ「Nexus 6（SIMフリーモデル）」を取り出し、このサイトで紹介している「nuroモバイル」のSMS・通話付SIMカードをセット！

ふだんから使っている機種なので、これで何の問題もなく通信できればラクなのですが……。

SIMカードを挿して、「利用可能なネットワーク」の画面を開いてみると、フランスの通信事業者の一覧が表示されました。日本で馴染みのある「au」「DOCOMO」といった名前は見当たりません。

ちなみに、「SFR」と「Orange」は、フランスではとてもメジャーな通信キャリアのようです。

SIMカードを挿して少々待つと……。無事、アンテナが立ちました！

接続しているキャリアは「F SFR|NTT DOCOMO」と表示されました。nuroモバイルはNTTドコモの回線を利用した格安SIMなので、「NTT DOCOMO」と表示されるのはわかります。

おそらく前述の「SFR」とNTTドコモが協力関係にあり、海外では「SFR」の回線を借りるのでしょう。

アンテナが立ったところで、試しに電話をかけてみました。

日本の友人にコールしてみると、しっかり鳴っています。nuroモバイルの格安SIMは、そのまま電話やSMSの送受信が可能でした。ただし、料金は通常とは全くの別物！

フランスから日本にかけると、平日昼間では30秒で108円（！）とのこと。普段が30秒で20円ですから、実に5倍ほど……。

電話はできるけれど、ひんぱんに使うわけにはいかないようです。ちなみに料金は国によって異なり、およそ2倍〜10倍ほどになるようです。

電話がつながったところで、今度はデータ通信にもチャレンジしてみましょう。

「モバイルネットワーク設定」の画面から、海外でデータ通信を行うための機能「データローミング」のボタンをオンにしてみます。

おそろしい警告が出ますが、OKを押します！

勇気を振り絞ったにもかかわらず、インターネットにつながりませんでした。残念……。

フランスで格安SIMを使ってみた結果

ということで、実験の結果と、今回得られた教訓をまとめてみましょう。

• 音声通話はできた（ただし料金は割高になる）
• データ通信はできない
• 別途、現地でつかえるWifiを手配したほうがよい

日本と同様にスマートフォンで調べ物やSNSへの投稿がしたいのであれば、現地で使えるWiFiルーターをあらかじめレンタルしておくのが良さそうです。
または、現在使っているスマートフォンがSIMフリー機種であれば、現地のプリペイドSIMカードを購入するのも手でしょう。

「海外でもそのまま使えるはず」と油断するなかれ。事前の準備で、楽しい旅を！