スマホ乗り換え時などに「SIMロック解除」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。本記事では、SIMロック解除とは何か、自分でできるのか、ドコモ・au・ソフトバンクそれぞれの解除方法などを詳しく解説します。解除の注意点やできないときの対処法についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

SIMロック解除とは？

そもそも、SIMロックは、スマホに設定された特定の携帯電話会社しか使えない制限のことです。SIMロック解除を行うと、どの携帯電話会社のSIMカードでも今のスマホで利用できるようになり、自由に携帯電話会社を選べます。

携帯電話会社の縛りがなくなることで、料金プランの幅が広がるほか、格安SIMへの変更や、海外旅行での現地のプリペイドSIMの使用も可能になります。スマホをより自由に使いこなせるようになり、コスト面でもメリットが生まれるでしょう。

そもそもSIMカードとは？

契約者情報が記録された「SIMカード」を端末に挿入することでデータ通信が可能になります。SIMカードを使えば、どのスマホでも同じ電話番号や回線を利用できます。

ただし、SIMロックがかかっている場合は、契約した携帯電話会社以外のSIMカードを挿しても通信できません。そのため、SIMロック解除が必要となる場合があります。自分のスマホにSIMロックがかかっているか確認してみましょう。

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なぜSIMロックがされているのか？

SIMロックは、不正利用や転売、なりすまし契約を防ぐ目的で導入されていたといわれています。

SIMロックがかかっていると、特定の携帯会社のSIMしか使えません。端末を他社で使い回しにくいため、転売しても価値が低くなると考えられていました。

現在はSIMロックを解除した状態での販売が義務づけられている

SIMロックがあると他社への乗り換えが難しく、利用者が自由に契約を選べない不便さがありました。

このため、総務省は2021年8月にガイドラインを策定し、2021年10月以降に発売されるスマホは原則SIMロックを解除した状態で販売するよう義務づけています。現在は基本的に解除済みの端末が流通しており、なるべく手間をかけずに乗り換えできる環境が整っています。

【総務省によるSIMロック禁止義務化への流れ】

年代	動き
2015年5月	携帯電話会社へSIMロック解除義務付け開始
2019年	スマホ購入時のSIMロック解除を義務化
2021年10月	スマホ販売時にSIMロックをかけておくことを原則禁止

参考：総務省「ガイドライン（SIMロック関係）」

SIMロック解除のメリット・デメリットは？

メリット	デメリット
・他の携帯電話会社への乗り換えが気軽にできる ・「格安SIM」を制限なく利用できる ・海外旅行の際に現地のプリペイドSIＭを利用できる	・特になし ※昔は手数料がかかったが現在は無料

SIMロック解除の最大のメリットは、他の携帯電話会社への乗り換えが気軽にできる点です。MVNOが提供する「格安SIM」の回線も制限なく利用でき、毎月の通信費を抑えられるのも魅力です。また、海外旅行時には現地のプリペイドSIMカードを使えるので、高額な国際ローミングを避けられる点も大きなメリットといえるでしょう。

また、以前は手数料がかかることがデメリットであるといわれていましたが、現在は無料化されているため、大きなデメリットはないとされています。

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SIMロックがされているかを確認する方法

お使いの端末がSIMロックされているかどうかは、スマホの設定メニューから確認できます。ここではその確認方法を端末別に解説します。

iPhoneの場合

iOS 14以降を搭載するiPhoneであれば「設定」からSIMロックの状態が確認できます。iOS 14以前の場合は、必要に応じてアップデートしましょう。

SIMロックに「SIMロックなし」と書いてある場合は、SIMロック解除済みです。「SIMロックあり」と書いてある場合は、SIMロックがされています。

Androidスマホの場合

Androidスマホは種類が多いため、設定画面でSIMロックの状態が確認できる場合とできない場合があります。設定から確認できるスマホの場合は、下記手順で確認できます。

ステータスに「許可されています」と表示されている場合は、SIMロックが解除済みです。

ただし、機種によっては設定メニューが表示されないため、表示されない場合はスマホを購入した携帯電話会社のショップやサポートに問い合わせてみましょう。

【ドコモ】お問い合わせ先

【au】お問い合わせ先

【ソフトバンク】お問い合わせ先

自分でできる？SIMロック解除のための3つの手段

SIMロックを解除するには、「Webサイトから申し込む」「ショップへ行く」「電話で申し込む」(ドコモのみ)の3つの方法があります。

各携帯電話会社のWebサイトから申し込む

各携帯電話会社のWebサイトであれば、24時間手続き可能です。店舗に行けない場合や夜間でも対応できます。

IMEI番号（製造番号）がわかれば本人確認なしで手続きを進められるのが特徴です。ドコモ、au、ソフトバンクの各社で案内ページが用意されており、手順に従えばすぐに完了します。店舗に比べて待ち時間もなく、スムーズに手続きできます。ただし、機種によって店舗でしか手続きできない場合もあるので、注意が必要です。

大手携帯電話会社の申し込み方法は以下をご覧ください。

【ドコモ】SIMロック解除の方法はこちら

【au】SIMロック解除の方法はこちら

【ソフトバンク】SIMロック解除の方法はこちら

各携帯電話会社の店舗で手続きをしてもらう

店舗に行けば、無料でSIMロック解除をしてもらうことが可能です。対面での説明を受けながら進められるため、不安がある方でも安心して手続きができます。

2023年以降、解除手続きにかかる手数料は不要になりました。店舗にて本人確認書類と端末を持参すれば簡単に手続き可能です。さらに来店予約をしておけば待ち時間が短縮され、スムーズに手続きが進みます。ショップによってはオンラインで事前受付も可能です。

ドコモ	近くのショップを探す
	必要な本人確認書類を確認する
au	近くのショップを探す
	必要な本人確認書類を確認する
ソフトバンク	近くのショップを探す
	必要な本人確認書類を確認する

電話でSIMロック解除する方法(ドコモのみ)

ドコモ回線なら「151」、その他回線からは「0120-800-000」に電話をかけることで申し込みできます。カスタマーサービスにつながったら、音声ガイダンスに従って手続きを進めていきましょう。

なお、電話でのSIMロック解除に対応しているのはドコモのみです。また、ショップと同じく、以前発生した解除手数料は、2021年8月の総務省のガイドライン改定によりなくなりました。

参考：総務省「ガイドライン（SIMロック関係）」

SIMロック解除するときの注意点

SIMロック解除には、各携帯会社が設ける条件を満たしている必要があります。さらに、解除後でも端末がすべての通信事業者のネットワークで正常に動作するとは限らないため、事前の確認が重要です。

SIMロック解除するには一定の条件がある

SIMロック解除には、携帯電話会社ごとに異なる条件が設けられています。たとえば、スマホを購入した時期、端末代金の精算が完了しているかなどが一般的な条件に挙げられます。

条件を満たしていない場合、手続きを進めることができないため、事前に契約中の通信事業者の条件を確認しておきましょう。

ドコモ	2011年4月～2015年4月に発売されたSIMロック解除対応機種
	2015年5月以降に発売されたSIMロック解除対応機種
au	SIMロックの状態を確認する
ソフトバンク	SIMロック解除機能が搭載されている機種

SIMロック解除しても利用できない場合がある

SIMロックを解除しても、すべての携帯電話会社のサービスが使えるとは限りません。通信事業者ごとに対応する周波数帯が異なるため、端末がその周波数に対応していなければ正常に利用できない場合があります。

契約を切り替える前に、利用予定の携帯電話会社の対応状況を確認しておくと、スムーズに手続きを進められます。

SIMロック解除ができない場合に考えられる原因

SIMロック解除をしようとしても、条件を満たさない場合や端末の状態によって手続きができないことがあります。ここでは解除ができない主な原因を紹介します。

スマホがSIMロック解除の対象外になっている

2021年10月以降に発売されたスマホは、そもそもSIMロック解除の必要がないため対象外となります。また2015年5月以前の機種は対象外のことが多いですが、例外的に解除可能な場合もあるため、携帯電話会社へ確認すると安心です。

ネットワーク利用制限がかかっている

料金未払いのほか、盗難や不正契約、補償端末の回収対象などに該当するとネットワーク利用制限がかかります。各携帯電話会社のWebサイトで製造番号を入力すれば制限の有無を確認できるため、購入や利用前に必ずチェックしましょう。

携帯電話会社の契約条件を満たしていない

契約から一定の日数が経過していなかったり、端末代金の支払いが完了していない場合はSIMロック解除ができません。条件は各携帯電話会社によって異なるため、事前に公式サイトで確認しておくことが大切です。特に中古端末を購入する際は注意しましょう。

前契約者の情報が残っている

中古スマホだと、前契約者がSIMロック解除を行っていないケースがあります。そのままでは他社の回線が利用できないことがあるため、購入前に販売店で解除状況を確認することが大切です。とくにネット通販ではしっかりと事前チェックを行いましょう。

SIMロック解除に関するよくある質問

Q.SIMロックの解除って簡単なの？

A.SIMロックは基本的に、簡単に、即日解除できる場合が多いです。SIMロック解除する場合は、Webサイト・店舗・電話から依頼可能です。

店舗の場合、契約者本人であれば端末と本人確認書類をお近くのショップに持参すれば、基本的にお任せで対応してもらえます。Webサイトであれば、時間や場所を問わずにいつでも手続きできます。

なお、電話でのSIMロック解除の手続きに対応しているのは、ドコモのみなので注意が必要です。

Q.SIM ロック解除は自分でできる？

A. 自分でWebサイトから手続きすることでSIMロック解除は可能です。SIMロック解除は、各携帯電話会社のWebサイトから手続きを行うことで簡単に完了します。必要な情報はIMEI番号やログイン情報のみで、店舗に行く必要がなく、24時間いつでも手続き可能です。条件を満たしていれば基本的には数分で完了するでしょう。

Q.SIMロック解除に料金はかかる？

A. 現在は無料でSIMロック解除できます。以前は、店頭・電話でのSIMロック解除手続きに3,300円（税込）の手数料がかかるケースもありました。

しかし、総務省のガイドライン改定により、2023年10月1日以降、すべてのSIMロック解除手続きが無料となりました。

Q.「SIMロック解除済み」と「SIMフリー」の違いは？

A.「SIMロック解除済み」と「SIMフリー」は、どちらも他社のSIMカードを使える状態を表しますが、「元々SIMロックがかかっていたか」において意味が異なります。

「SIMロック解除済み」は、もともと特定の携帯電話会社で販売され、使用制限がかかっていたスマホが、解除手続きを経て他社のSIMも使えるようになった状態を指します。

一方、「SIMフリー」とは、最初からどの携帯電話会社のSIMカードでも使えるようにロックされていない端末です。2021年以10月以降、SIMロックをかけるのが原則禁止になったため、現在販売されているスマホは基本的に「SIMフリー」スマホとなります。

SIMロック解除でスマホをもっと自由に使いこなそう

SIMロック解除を行えば、格安SIMや他の携帯電話会社のサービスを自由に利用でき、通信費の節約も可能です。特に海外旅行のときは利便性が向上します。

現在は無料で、Webサイトから自分で簡単にSIMロック解除ができます。SIMロック解除が必要な方は本記事を参考にぜひ試してみてください。

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