格安SIMは災害時でも利用できるの?通話やネットは大丈夫?

格安SIMは、地震や台風、大雨などの自然災害時に利用できるのでしょうか?

災害時には電話やインターネットが繋がりにくいというイメージが一般的にあると思いますので、格安SIMだったらなおさら不安に思う人も多いかと思います。

今回は、月額料金が安いから格安SIMの契約を考えているけど、災害時の時に不安だという人のために、格安SIMは災害時でも繋がるのかという疑問にお答えします。

災害時に利用できる安否確認ツールも案内していますので、格安SIMの契約を検討されている人はチェックしてみてください。

格安SIMは災害時でも通話できるの?

災害時には、災害現場での連絡、他のエリアからのお見舞い電話や安否確認も集中するため、電話が繋がりづらくなります。このような混雑による電話が繋がらない状態のことを「輻輳(ふくそう)」と言います。

携帯電話会社はこの輻輳を避けるために、一部の通話を規制することがあるので電話が繋がりにくくなるという理屈です。

輻輳の本来の意味は、1カ所に集中して混雑している状態です。インターネットや電話回線における輻輳とは、アクセスや電話が集中しすぎて回線がパンクする状態を指します。

例えばコンサートチケットの通販番組での注文や予約開始時間など、特定の番号や回線にアクセスが集中すると通信システムがダウンしやすくなる状態と同じです。

災害時、アクセスが1カ所に集中するわけではありませんが、安否確認のために電話をかける人が増えることで回線が混雑し、通信速度の低下や通信そのものが繋がらなくなる可能性が高くなります。
大手キャリアの回線を借りている格安SIMでも同様の規制がかかるため、大手キャリアで通話が出来ない時は、格安SIMでも同様にかけられない状態となります。

格安SIMだから大手キャリアと比べて制限が厳しくなるようなことはなく、通話に関しては格安SIMでも大手キャリアと同じだということです。

格安SIMで緊急通報への発信はできる?

格安SIMには、データ通信専用SIMとSMSありのデータ通信+SMS SIM、音声通話付きSIMの3種類があります。

この中の音声通話付きSIMなら、119番や110番の緊急通報への発信ができます。

しかし、IP電話は発信できないので、緊急通報に発信できません。なぜならIP電話は電話回線を使うのではなく、IP回線を使ってダイヤルを行うからです。

IP電話回線とは、データ通信用の回線を利用サービスです。例えばLINEなどが、IP回線を利用して通話するサービスに該当します。

そのためデータ通信専用 SIMのみでは、119番や110番の緊急通報に発信できず、音声通話付きSIMの利用もしくは、電話番号を利用するプレフィックス方式などを使った音声通話サービスを利用する必要があります。

格安SIMのプレフィックス通話方式は使えなくなる可能性がある

多くの格安SIMで、3分以内や10分以内の通話がかけ放題になるオプションが提供されています。しかし、かけ放題オプションの多くは、通話が大手キャリアの回線から連絡先に直接接続されるわけではなく、いったん中継電話会社の設備を経由します。

中継電話会社へ接続するために、相手先の電話番号の前に特定の番号を付けて発信することを「プレフィックス方式」と言います。プレフィックス方式は中継電話会社の設備を中継するため、大きな災害により設備自体の機能が停止したり混雑したりする可能性が、ないとは言い切れません。

災害時に、格安SIMのかけ放題オプションを適用するための専用電話アプリ*から発信して電話がつながらない場合は、中継電話会社を中継しない(プレフィックス番号を使わない)通常の電話を試してみてください。

* プレフィックス付与アプリ(NUROモバイルでんわ等)を利用中の場合はOFFにしてください。

格安SIMでは災害用伝言ダイヤルの利用はできない

固定電話からは災害用伝言ダイヤル(171)が利用できますし、ドコモ・au・ソフトバンク・ワイモバイルでは「災害用音声お届けサービス」という、災害用伝言ダイヤルと同様のサービスを利用することができます。

格安SIMでは、これらに変わる音声による災害用伝言ダイヤルサービスがないため、音声で安否の情報を残すことはできません。

データ通信が遅くなる可能性がある

格安SIMのデータ通信は、大手キャリアの回線の混雑と同時に繋がりにくくなるため、災害時はデータ通信が遅くなる危険性が高くなります。

もちろんデータ通信が出来なくなるわけではありませんが、遅くなる可能性があることは頭に置いておきましょう。

災害時に格安SIMでの通信が遅すぎる場合には?

災害時に格安SIMの通信速度が遅く、知りたい情報をなかなか入手することができない場合には、被災地の様々な場所に無料開放されるWi-Fiスポット「00000JAPAN」の活用をオススメします。

データ通信を使った安否確認方法

Webブラウザから災害用伝言板(web171)というサービスにアクセスすることで、災害時の安否確認が可能になります。

web171とは?

NTT東日本、西日本が提供する災害用伝言板サービスです。電話番号と名前、伝言を登録しておくと、他のユーザーが電話番号や名前から検索して伝言を確認することができます。

web171が利用できるのは災害時など必要性が認められたときに限られますが、毎月1日と15日など、限られた期間に体験利用することができます。

災害用伝言板(web171)はこちら

災害用伝言板(web171)体験利用のご案内はこちら

その他には、「Google パーソンファインダー」や「J-anpi」を使う方法もあります。

Google パーソンファインダーとは?

Googleが提供している災害が発生した時にだけ提供される安否確認サービスのことで、家族や友人の「安否を確認する機能」と「自分の安否を伝える機能」の2つが用意されています。

Google パーソンファインダーは、名前か携帯電話番号だけでも検索・登録することができます。

Google パーソンファインダーはこちら

J-anpiとは?

安否情報をまとめて検索できるシステムのことです。

J-anpiでは、PC・スマホ・携帯などのあらゆるデバイスからアクセスが可能で、安否情報を確認したい人の「氏名」または「携帯番号」を入力することで、通信キャリア各社が提供している災害用伝言板、報道機関や各企業が提供している安否情報、Googleが提供しているパーソンファインダーを対象に一括検索することができます。

J-anpiはこちら

nuro mobile

災害時の連絡手段はSNSのアプリを活用する方法もある

災害時に格安スマホから電話をかけようと思っても繋がらない場合は、

  • メール
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • LINE

などのSNSが、安否確認に役立ちます。ぜひ、積極的なSNSの活用も心がけましょう。

格安SIMに緊急地震速報の警報は鳴る?

緊急地震速報は、MVNOが提供する格安SIMでも受信することが可能です。

ただ、大手キャリアで購入できる端末は基本的に緊急地震速報を受信できますが、海外メーカーのSIMフリー端末の中には緊急地震速報が受信できないものも存在しますので、注意が必要です。

確実に地震の速報を受け取りたい場合は、緊急地震速報の代わりにYahoo!防災速報やニュースダイジェストなどのアプリをインストールしておくことをオススメします。

Jアラートは鳴る?

Jアラートは消防庁の送信システムから各自治体の受信機に送った後に、通信の世界的な標準規格のETWS(Earthquake and Tsunami Warning System)を搭載したスマホや防災無線に送信される仕組みです。

弾道ミサイル攻撃や津波や地震の情報を通知してくれます。

大手キャリアから購入した端末はJアラートに対応しているため、SIMロックを解除しても受信できます。
しかし、一般的なSIMフリー端末はJアラートに対応していないので、別途アプリをダウンロードして通知を受信できるようにしましょう。

Yahoo!防災速報とは?

防災速報 – 地震、津波、豪雨など、災害情報をいち早くお届けしてくれるアプリです。

ニュースダイジェストとは?

ニュース速報・地震速報・災害速報を網羅したライフライン型ニュースアプリです。

NHKニュース・防災とは?

NHKがリリースした公式アプリです。地震や台風などの災害情報や避難情報を、テレビがない時でも確認できます。
また雨雲レーダーや河川の氾濫など、地域ごとの危険区域をチェックできる点も大きなメリットです。他には天気予報やライブ配信などの使い方もあるので、災害時以外でも利用できます。

ゆれくるコールとは?

地震到達の情報を通知してくれるアプリです。格安SIMでも利用できるので、キャリアで購入した端末以外でも地震到達までの情報が得られます。
また津波の注意報や解除まで知らせてくれるので、海沿いの場所にお住まいの人にオススメのアプリです。

格安SIMでも災害時には大手キャリアとほぼ同様に使うことができる!

格安SIMの音声通話付きSIMは、震災時に通話は大手キャリアと同様に使うことができますが、災害時に通信速度低下のリスクや大手キャリアの災害伝言板が使えないなど、不便な部分があるのも事実です。

しかし、ここまで説明してきた通り、代替えの方法がありますので、それらを活用するのが格安SIMを上手に利用するコツです。

熊本地震発生時における通信業者の対応

熊本地震では、大手キャリアは通信制限の上限を撤廃し、格安SIMの中ではNUROモバイルが、2016年4月以降でNUROモバイル(当時はSo-net)のSIMが使えなかった期間の利用料金減免の支援措置を講じました。

熊本地方を震源とする地震により被災されたお客さまへの支援と、So-net 接続サービスへの影響について

災害に備えて普段からできる5つのこと

災害に備えて普段からできることを紹介します。

  1. 安否確認サービスに登録しておく
  2. 緊急速報を受信できる状態にしておく
  3. 家族や友人で安否確認の方法を決めておく
  4. 避難場所の確認しておく
  5. モバイルバッテリーを余分に用意しておく

どれも簡単なので、事前に行っておきましょう。

1. 安否確認サービスに登録しておく

事前に安否確認サービスに登録しておくと、災害時に家族などの安否を確認できます。

電話番号や名前を登録することで自分以外の人とも連絡が取り合い、お互いの状況を知ることで安心できるでしょう。

固定電話・スマホ・携帯電話など、複数の安否確認サービスに登録することで、どれかが繋がらない事態に備えられます。

2. 緊急速報を受信できる状態にしておく

緊急速報を受信できる状態にすることで、災害による緊急事態が起きた場合でも対応しやすくなります。

あらかじめ端末の受信設定を確認しておきましょう。

3. 家族や友人で安否確認の方法を決めておく

安否確認の方法を共有しておくことで、お互いの連絡が取れない状態になった場合に備えることができます。

NTTやNHKなどの災害用伝言ダイヤルや安否確認サービスを利用すると、無料で声やテキストなどで安否の確認が可能です。

その他には各種SNSも災害時の安否確認に有効です。例えばLINEの既読やGPS機能などを使えば、安否を伝える手段になります。

4. 避難場所の確認しておく

災害時の避難場所を覚えておくことで、家屋の倒壊などが起こった場合でも避難できます。

自治体によって避難場所は異なるため、通話やデータ通信が繋がらなくなる時に備えて確認しておきましょう。

ちなみに場所だけでなく、避難場所までの複数の経路を知ることで、緊急事態が起こった場合でもスムーズに対応できます。

5. モバイルバッテリーを余分に用意しておく

モバイルバッテリーを余分に用意することで、災害時にスマホの充電が切れてしまった場合の対策になります。

例えば電池式のバッテリーやソーラーパネル付きのバッテリーなど、電源に接続せずに充電できるタイプのバッテリーは緊急時に役立つはずです。他には充電ケーブルも複数本の用意が必要です。

ちなみにモバイルバッテリーは放置すると自然放電するため、3~6か月に1回のペースで充電を確認し、災害が起きたときのために充電しておきましょう。

格安SIMならNUROモバイルがオススメ

災害はいつ何時起こるのか予測はできません。
そんな万が一の時に役に立つのが、スマホの存在です。

格安SIMのNUROモバイルは、ソニーグループのソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社がサービスを提供しています。大手キャリア3回線に対応しているため、全国エリアで通話やインターネットが使えます。

通話も出来て3GB 800円未満の月額基本料金は、NUROモバイルならではのおトクな魅力です。
また令和2年7月の大雨災害において、NUROモバイルを運営するソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は、災害時の対応として3か月利用可能な10GBを無償で提供しています。安くて安心、今の端末がそのまま使えることが大きな特長です。

まずは現在ご利用中の端末や契約内容をチェックしましょう。アプリを入れたり、安否確認サービスに登録したりと、災害が身近で起きた時に備えて常日頃から準備しておくことが大切です。